2017.03.15 堀病院 母親学級
病院主催の母親学級に参加してきました!
入り口で800円でテキストを購入。高い…
初産のお母さんが対象で、瀬谷区の公会堂を使っての講演形式。
堀病院の看護師長さんがお話してくれました。なので、この病院に特化した話も含まれています。(逆に言うと堀病院で出産しようとしているお母さんには有益かな?)
その時取ったメモをまとめてみます。
1.病院の特徴
- 日に7〜8人出産。
- 帝王切開が少ない(120人/2500人、0.3%くらい)。
- 仮に過去に帝王切開をしている経産婦でも経膣分娩が可能。
(以前出産した病院に問い合わせて縫合方法などを詳細に聞き出し確認。場合によっては経膣分娩できないこともある) -
骨盤位(逆子)でも経膣分娩が可能なことも。
(逆子を治す「外回転術*1」が得意なお医者さんがいるらしい) - 堀病院所有の救急車は2台。
(救急車が行ける場所は提出した地図で指定したところのみなので、出先での急な破水などに備えて陣痛タクシーなど移動手段の手配は必要) - 堀病院の制服について。
臙脂色 → 助産師
青・紺 → 看護師
全体水色 → 助手 - 母乳大事派。
2.妊娠初期
① つわり
- 妊娠12週目がピーク。
- ホルモンの変化に対応できずに起きるとされている。
- 水分・糖分の摂取が大事。
(糖分不足は頭の回転が悪くなり、寝たきりになりがちになるので、軽く口に入れられるものを持ち歩くことが大事) - 特定の物しか食べられなくても平気。落ち着いたら色々食べれば良い。
② 流産
③ 体重増加
- ホルモンの影響で皮下脂肪がつくらしい。
- 元BMI20以下 → 10kg増まで
元BMI30以上 → 5kg増まで(もしくは1kgも増えるなと言われることも) - 看護師長さんの経験上、今の新生児は3,000gオーバーの子は少ない*2。
3,000g以下の子は大人になって成人病のリスクが増える研究結果あり。2,000gちょっとで産まれてきた子は産後にメチャクチャ食べる。これによって成人病リスクが増えるらしい*3。
④ 便秘・頻尿
- ホルモンの影響で腸の活動が鈍くなる。
- 頻尿は子宮が膀胱を圧迫することによって起きる。
- 膀胱炎との違いは、排尿時に痛みがあるか否か。
(膀胱炎だと排尿時に痛みがある)
3.妊娠中期
① お腹が大きくなる
- 骨盤が緩んでくる。
(恥骨が緩んでくる人は、前に歩けなくなることもある) - 重心が後ろになってくるので、正しい姿勢で過ごすことが大事。
(踵・お尻・肩甲骨・頭をすべて壁につけて立ったときに、腰と壁の隙間が手のひら1枚分の厚さだと適正。それ以上でもそれ以下でも異常) (異常だった場合は太めの腹帯で矯正。堀病院では骨盤ケア教室がある。)
② 足が攣る
- 子宮に圧迫され、下肢が血行不良になることで起こる。
- 水分不足も原因の一つとなるので、こまめに摂取すること。
③ 貧血になる
- 妊娠初期・中期・後期それぞれで貧血の検査を行う。
- 胎児に血液を送るため血液量を増加させる必要がある。
(身体はまず単純に量を増やすために、濃度が薄くてもいいからたくさん水分を使って血液量を増やす)
(血中のヘモグロビン量が11〜12g/dlなら平均的、10gだと食事療法を勧められ、それ以下だと投薬の必要が出てくることも) - 野菜(ほうれん草とか)でも鉄分を取ることができるが、蛋白質に含まれるヘム鉄の方が吸収されやすい。
(野菜に含まれる非ヘム鉄はビタミンCと一緒に摂ることで効率よく摂取できるようになる) - レバーはビタミンAが含まれているためあまり食べすぎてはいけない*4が、毎日食べるなど過剰摂取しなければ大丈夫。
- 日本茶に含まれるカテキンは鉄分の吸収率を阻害するため、普段は麦茶を飲むようにするのが良い。
④ 乳首・乳輪が大きくなる
- ホルモンによってメラニン色素が増えるため、色が濃くなる。出産後に色は薄くなるから安心して。
- 赤ちゃんがわかりやすいように色が濃くなるという説がある。
⑤ 妊娠線ができる可能性がある
- 妊娠28週以降から特に注意。
- 皮膚がかゆくなる。
- クリームで保湿するのが良いが、だいたい出来てしまう。
- そのうち赤みは消えるが、白く残ってしまい、消えない。
4.妊娠後期
① お腹が張りやすくなる
- 張ったらすぐ横になるべし。
- 生産期には、胎児3,000g、胎盤800g、羊水2,000g、その他諸々で、計6kg以上はあるのだから、重心が不安定に。しゃがむと転がることも。
- お腹が張って30分安静にしても治らない場合は病院に連絡する。
放置しておくと出血する可能性がある。なるべく早く電話して指示を仰ぐこと。
② 動悸・息切れ・目眩が起こりやすくなる
- 子宮が大きくなることで横隔膜を圧迫し、呼吸が苦しくなる。
(息苦しさを感じたらすぐ座る。横になるより楽) - 血液は胎児を優先に運ばれるので、急な動作は禁止。同じ姿勢を長時間続けるのも禁止。
③ 手足がむくむ
- 子宮が大きくなることによって血液が圧迫され、血行不良に。
- 静脈瘤ができることも。靴のサイズが変わるくらい変化することも。
- 水分補給をこまめに行うこと。
- ナトリウム(塩分)の過剰摂取が原因の一つ。
(ラーメンの汁は飲まないようにする。ノンオイルドレッシングは油の旨味の代わりに塩分が多く含まれているため、カロリーオフだと思って使用すると痛い目に遭う。旦那さんにマッサージしてもらうと夫婦関係が良好に) - 夜にむくんでいたとしても朝になって治っていれば特段問題はない。
5.精神の変化について
- ホルモンのせいで精神状態が不安定になる。
無性にイライラしたり、涙が出たり。
① 旦那さんができること
- 話を聞く
(女性は共感してもらえば落ち着くことが多い。何かしながらではなく、時間を作ってとにかく話を聞く) - 一緒に遊んで気分転換
- まめに連絡
- 赤ちゃんに話しかける
- 胎動に触れるようにする
② 旦那さんがやってはいけないこと
- 「俺だって疲れている」
- 「そんなに大変?」
(大変に決まってるでしょ、自分の意思とは関係なく身体が無理やり変化していくんだから) - 「大丈夫だよ」
(安心させるつもりかもしれないが、根拠をきちんと示さないと逆効果に) - 「妊娠してから変わったね」
(母親としての自覚が芽生えてきたということであるため、嫌味に聞こえないように。褒め言葉としてなら良いかも?) - 人と比べること
(人それぞれ体質が違ったりするのだから、人と同じ妊婦生活があるわけがない)
6.お産が近づいたサイン
- 胸やお腹の詰まりが取れて楽になる。
(胎児が骨盤の下の方に下がっていくため) - 頻繁にお腹が張る。
- 頻尿になる。
- 胎動が鈍くなる。
(ただし、朝から一度も動かないってことはない。そうだとしたら病院に相談) - 脚や太腿の付け根が突っ張る。
① 身体の準備
- 定期検診の日にちがずれるようだったら予め病院に相談すること。
- 呼吸法やリラックス、マッサージの練習をしておくこと。
- しっかりと食事・睡眠をとること。
- 身体を清潔にすること。特におっぱい。
(昔は母乳を出すように言われていたが、必要ない。母乳を出しすぎるとお腹が張る。陣痛を早めたい場合はやっても良い。)
乳首は柔らかく保つ。クリームを塗ったりすると効果的。 - 指輪は外しておいたほうが良い。
(帝王切開時はアクセサリーは付けられない。なくさないようにペンダントにしたりなどの対策を) - 28週までにジェルネイルを外しておくこと。
(緊急搬送時に酸素モニターを指につけることがある。ネイルがあると測定ができない)
その他、へそピアスなどもだめ。
② 心の準備
- 緊急時連絡先の再度確認。
- 入院時の車の手配。
- 退院後サポートしてくれる人を探しておく。
- 入院時家族が困らないように、家事等の引き継ぎを行っておくこと。
- 外出時は、母子手帳・診察券・保険証・ナプキンを持っていくこと。
(ナプキンの代わりにできれば新生児用の紙おむつのほうが好ましい。破水時はナプキンごときじゃ足りない) - 入院準備の再点検をしておく。
③ 荷物の準備
- 出産用品は基本的に病院側が用意してある。
- その他自分で用意しておくべきものは、
多めの下着・授乳用ブラジャー(前開きのものが好ましい)・靴下・化粧品・充電器・エネルギー補給用の食品(ウィダーとかおにぎりとか) - 退院時の自分と赤ちゃんの洋服の用意を。
(非妊娠時に着ていた物は入らない) - 育児用品は無理をせず、少しずつ用意すること。
④ 分娩の兆候
- おしるしが来ても、病院に連絡する必要はない。
(おしるしとは、卵膜が収縮することによって隙間ができ、少量の出血が起きること。陣痛が始まる前兆)
(普通の出血との違いは量と垂れ方。おしるしの場合はドロっとしている) - ウォーミングアップ(前駆陣痛)が起きる。
前駆陣痛の強さ・間隔はバラバラだが、本陣痛は一緒。
(間隔が10分おきになったらお産開始。)
(病院に連絡を入れるときに必ず何時から始まったか聞かれるので、前駆陣痛が始まったときの時間を記録しておくこと) - 本陣痛が始まる。
初産婦は平均12時間かかる。
(子宮口が開く時間は、0〜5cmまで開くのに約8時間、それ以上になるのに更に4時間くらい)
病院から家が近い人は陣痛が5〜6分間隔になったら、遠い人は7〜8分間隔になったら病院に連絡を入れること。
陣痛は家事をしながらなど、動いていないと進まない。でも陣痛が起きると自然と体の動きが止まるようになっているので歩けなくなるし喋られなくなる。 - 破水が起こる。
小さく音が聞こえることもある。脚がびしょびしょになるくらい濡れる。
膜の上のほうが破れる場合があり、そのときはおりものか破水かわかりにくいこともある。
(身体を動かす度に濡れるのが破水)
判断がつかない場合は直ぐに連絡を入れること。
(破水は感染病に直結するため、様子見なんて言っている余裕はない) - 入院連絡は本人が入れること。
声の様子で判断するため。
⑤ お産を速く進めるコツ
- 無駄なエネルギーを使わない。
声を出さない、息を止めない。 - 痛いときは呼吸法を意識し、痛くないときはとにかく寝る。
ヒッヒッフーのラマーズ法なんかどうでも良いから、とにかく息を吐くことに集中をする。息を吐けば自然と吸って呼吸ができるようになるから。
自分の心拍数よりも少ないリズムの音楽を聴く。
身体の力を抜くと、血流が一気に良くなる。
腰が痛いときは叩くか擦るか、これは個人差があるので自分にあった方法を模索しておくこと。基本的には尾てい骨あたりを擦ると良いと言われている。 - よく食べること。
エネルギーがすぐ切れてしまうので、補給はこまめに。 - 身体を横にしないようにする。あぐらをかく。横になるなら片足を上げる。
- 体を冷やさない。
アスリートが筋肉を温めるのと一緒。 - 陣痛が来たら赤ちゃんに声をかける。
看護師長さんが言うからには、陣痛で気を失う人は見たことがない。
出産は生理現象だから基本的にはなんとかなるし、何かあったら現代医学は進歩しているんだからそれを頼りなさい。
周りが痛いだなんだあれこれ言うけど、外野の言葉はシカトする。
⑥ いきむときのコツ
- 排便を意識して、前かがみに。
- 顎を引いておへそを見るようにする。
(上を見ると顔にそばかすみたいに内出血が起きることもある) - 背中と腰は分娩台から浮かせない。
- 息を吐く。
(息を止めないと力が出ないという人もいるから、できればで良い。1回の陣痛で2回いきめられればOK)
7.母乳について
- 分娩指導のときに言われることは「しっかり目を見て」「抱いて」「話しかけながら」
初産なんだから上の子がうるさいとかないんだから、楽しんで。 - 初めての母乳は分娩後30分以内に吸わせる。
- 産後1週間は頻繁に飲ませること。
母乳を出すとメチャクチャ体重が減るらしい。
8.その他
- 笑顔のキャッチボールを。
全部声に出して話しかけることで産後うつの予防にも繋がる。
声をだすことで赤ちゃんの言葉の発達の手助けに。
生後2ヶ月で目がはっきりを見えるようになるため、目を合わせるようにすること。 - 良いお母さんになろうとしないこと。
無理だから。
個人差があるのだから、育児書なんか役に立たない。 - うちの子が一番大事だと思っていること。
- 家族に褒め言葉をかけてもらうこと。
以上が講演内容でした。
長々と書きましたが、全部で2時間くらいだったかな?
総括としては、病院独自のこと以外は基本的にネットで集められる情報だったけど、聞きに行って損をするような内容ではありませんでした。
帰りには母親教室の受講修了証と、その他企業からの協賛品がたくさん入った袋をもらえました。ほくほく。
今回の個人的なまとめとしては、
妊娠・出産は生理現象だから、なんとかなる。異常があったときは現代医学を信じろ。
って感じでした。
実際体質も性格も個人差があるんだから、一般に言われている「妊婦」とは違う部分だって多々あるはずなので、何でもかんでも一概に信じすぎないようにするのが一番いいと思いました。